東京オペラシティ コンサートホールで開かれたアリス=紗良・オットのピアノ・リサイタルに行った。

1988年ミュンヘン生まれ、「美人」「天才」ピアニストと言われている。オフィシャルサイトはこちら。CDを聴いたこともなかったけど、裸足で弾くというのを見てみたいと思ったのとチケットの値が下がっていたのとちょうど休日で予定がなかったことが重なって、慣れないホールに行ってみた。下手2FバルコニーのS席だったけど居心地は悪くなかった。

メンデルスゾーン: 厳格な変奏曲 ニ短調 作品54
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第21番 ハ長調 作品53「ワルトシュタイン」
ショパン: 3つのワルツ 作品34「華麗なる円舞曲」
     1.ワルツ 第2番 変イ長調
     2.ワルツ 第3番 イ短調
     3.ワルツ 第4番 ヘ長調
ショパン: ワルツ 第6番 変ニ長調 作品64-1「子犬」
ショパン: ワルツ 第7番 嬰ハ短調 作品64-2
ショパン: スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31
《アンコール》
ショパン: ノクターン 嬰ハ短調〈遺作〉
リスト: パガニーニによる大練習曲 第3番 嬰ト短調「ラ・カンパネラ」
ベートーヴェン: バガテル イ短調WoO 59「エリーゼのために」


クラシックは聴き慣れていないので演奏の善し悪しはわからないが、メンデルスゾーンは素人目にも難易度の高い曲なんだろうなと思われるのに気負いなく自然に弾きこなしている感じで、安心して(笑)曲に没頭できた。あまり興味のない作曲家だったのだが、緻密な構成の中にキラキラした華やかさがあって、好みの曲。他の演奏家でも聴いてみたいと思った。

ベートーヴェンの曲はドイツの音楽家にとって「聖書」だとどこかのインタビューで読んだが、個人的にはときめかない。「ワルトシュタイン」と言えば超重要なピアノソナタだと聞くが、曲よりオットさんの精確だけどどこか楽しげなピアノの音色を楽しんだ。

ショパンの一連のワルツは、すみませんああワルツだなー、ショパンてこんな感じだよねーと淡白な感想です。ゴージャスな曲の方が好きなのかな、私は。最近複数の演奏家のピアノコンチェルトのCDを買って聴いているが、こちらはすごく盛り上がる。スケルツォもノクターンも、美しいんだけど、響いてこなかった。

リストは感激した!こういう超絶曲で受けるっていかにも素人だな〜と自分でも思うが、興奮した。オットさんの技巧と地力を感じるしきらびやかな旋律にうっとり。どこかなまめかしさがあって、こういう(十分弾きこなしてはいるけど)楽譜に引っ張られる曲の方が今の時点では彼女の資質があらわれやすいのでは、と思った。

ott

明るい赤のロングドレスは歩く時は長めの裾で素足を隠していたけど、ペダルを踏む時は足指がばっちり見えた。派手なペディキュアなどしていなくて素朴な感じ。髪も自分で乾かしました風で、ふつうにおろしていてイアリングやブレスは着けているものの飾り気がない。歩き方やお辞儀の仕方は明るく飄々としていて、美人ピアニスト!というより可愛らしい少女のような方でした。でもヒールなしであの着こなし、スタイルいいんだなー。髪だってそこらの美容師さんにブロウさせるだけでぐーんと美人度は上がるんだけど、いちいちそこまでしないってのがおおらかで良いわ。終演後のサイン会、500人くらい並んだそうで、ま、人気あるのは無理ない。

若い演奏家のライブを聴くのは楽しいことだ。彼女の笑顔を見に、またホールに行きたい。